慰謝料の減額交渉を絶対成功させるための具体的なやり方や正しい対応

慰謝料の減額交渉を成功させる方法を知りたいですか?

浮気・不倫による慰謝料の減額交渉は簡単ではありません。慰謝料を請求された場合、不倫の被害者の怒りは大きいため、話し合いで減額を求めてもなかなか応じてくれません。しかし、慰謝料の減額交渉を正しく行えば、請求された不倫慰謝料は減額できます。

ほとんどの事案で慰謝料の減額交渉は成功します。

坂尾陽弁護士

この記事では、慰謝料の減額交渉を絶対に成功したいと考えている方のために、慰謝料の減額交渉をするやり方や正しい対応方法を解説します。慰謝料を請求された依頼者から減額対応を多数行ってきた弁護士が実務上の注意点等を踏まえて説明するので、是非、最後までお読みください。

慰謝料の減額交渉を成功させるノウハウとは

この記事では慰謝料の減額交渉を成功させるために知っておくべき知識・ノウハウを分かりやすくまとめました。この記事を読めば、あなたが知りたいことが分かるはずです。

  • 慰謝料を払わないで解決できるか
  • 不倫慰謝料の相場はどのぐらいか
  • どんな事情が慰謝料の減額理由になるか
  • 慰謝料の減額交渉を成功させるコツとは
  • 慰謝料の減額交渉の期間はどのぐらいか
  • 慰謝料を請求されたときのNG事項

等のように慰謝料の減額についてご相談される方から多く質問を受ける事項について解説しています。

不倫慰謝料の相談経験が豊富な弁護士が分かりやすく解説するのでご安心ください!

坂尾陽弁護士

(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

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慰謝料の減額交渉をする前に知っておくべきこと

慰謝料の減額交渉をする前に知っておくべきことして、以下の点があります。

  • 慰謝料を払わないで済むケースもある
  • 不倫慰謝料の相場はどのぐらいか
  • 慰謝料請求の時効について

 

慰謝料を払わないで済むケースとは

不倫で慰謝料を請求されたとしても、実は慰謝料を払わないで済む場合もあります。具体的には以下のようなケースがあります。

(参考)慰謝料請求できる条件とは? 具体的な条件や請求方法から請求できないケースまで徹底解説

  • 不倫相手と肉体関係(性行為)がない
  • 既に夫婦関係が破たんしていた
  • 既婚者と知らずに交際していた

不倫慰謝料は、法律上は不貞行為に基づく慰謝料請求権と言います。これは、故意・過失による不貞行為によって平穏な夫婦関係を破壊した場合、不倫の被害者に与えた精神的苦痛という損害を賠償する責任を負うというものです。したがって、この条件を満たさないときは慰謝料を払わないで済むのです。

不倫相手と肉体関係(性行為)がないケース

不倫慰謝料を請求できる条件として不貞行為が必要です。原則として、不貞行為は自由な意思に基づく異性との肉体関係(性行為)のことです。したがって、肉体関係(性行為)がないケースでは慰謝料を払わなくて済みます。

(参考)不貞行為の定義、判断基準、どこからが該当するかの具体的行為を弁護士が徹底解説

既に夫婦関係が破たんしていたケース

不倫が違法になるのは、平穏な夫婦関係を破壊することが根拠です。不倫を開始した時に、既に夫婦関係が破たんしている場合は、そもそも保護するべき平穏な夫婦関係が存在しません。したがって、判例上、既に夫婦関係が破たんしていたケースでは慰謝料を払わなくて済むとされています(最高裁平成8年3月26日判決)。

既婚者と知らずに交際していた

不倫慰謝料の根拠条文である民法709条は、加害者の故意・過失を要求しています。つまり、不貞行為であることを知っていた又は調べれば容易に知り得たことが必要です。したがって、既婚者と知らずに交際していたケースでは慰謝料を払わなくて済む可能性が高いのです。

慰謝料を払わず済む場合の知識は減額交渉にも役に立つ

不貞行為が事実であり慰謝料を払うつもりがある場合でも、慰謝料を払わないで良いのはどんな場合かを知っておくべきです。

なぜなら、慰謝料を請求できる条件があるか微妙な事案では、この点が慰謝料の減額交渉をするときの材料となるからです。つまり、裁判になったときは慰謝料の支払義務を争うが、慰謝料の減額交渉に応じて相場よりも低い金額で合意してくれればきちんと慰謝料を払いますという交渉のやり方ができるのです。

減額交渉の前提知識として慰謝料を拒否できる場合を知っておくべきです。

坂尾陽弁護士

慰謝料を払わないで済む場合について詳しく知りたい方は下記記事をお読みください。

(参考)慰謝料を払わないで解決したい!不倫慰謝料の支払いを拒否する方法を解説

 

不倫慰謝料の相場はどのぐらいか

慰謝料の減額交渉を始める前に、そもそも請求された慰謝料金額が相場通りかを確認しましょう。不倫慰謝料の相場は、夫婦関係が継続・別居・離婚するのいずれのパターンかによって、以下のとおりです。

不倫慰謝料の相場

夫婦関係を継続する場合 50~100万円程度
夫婦が別居・離婚した場合 100~300万円程度
特別な事情がある場合 300万円~500万円程度

したがって、請求された慰謝料金額がこの相場を大きく超える場合は、慰謝料の減額交渉は成功しやすいと考えられます。もっとも、不倫慰謝料の相場は、具体的な事情によって異なります。正確な慰謝料相場を知りたい場合は慰謝料減額に強い弁護士にご相談ください。

相場通りの慰謝料金額でも減額できる!

相場通りの慰謝料金額を請求されたときでも、慰謝料の減額交渉は可能です。この場合は自分自身で減額交渉をするのは難しいので、慰謝料減額に強い弁護士に早めにご相談ください。

 

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慰謝料請求の時効について

過去の不倫について慰謝料を請求された場合、慰謝料請求の時効を主張できる可能性があります。具体的には、不倫発覚から3年以上が経過している場合は、不倫慰謝料の請求権は時効により消滅している可能性があります。

もっとも、慰謝料請求の時効は、色々なケースによって判断が異なります。もし、不倫から3年経過後に慰謝料請求がされたときは、慰謝料請求に時効が主張できるかもしれません。

 

慰謝料の減額交渉で主張するべき5つの理由

慰謝料の減額交渉においては、なぜ減額するべきかの理由を主張する必要があります。主な慰謝料の減額理由は以下のとおりです。それぞれ詳しく解説します。

  • 不倫被害者が離婚していない
  • 不倫期間は短く、肉体関係の回数は少ない
  • 自分は不倫に消極的だった
  • 求償権を放棄する代わりに減額して欲しい
  • 自分の配偶者が不倫を知っている

慰謝料減額の交渉理由①:不倫被害者が離婚していない

慰謝料の減額交渉で最初に主張するべき減額理由は、不倫が原因で離婚に至っていないことです。不倫があったにもかかわらず、離婚していないなら精神的苦痛は比較的少ないと判断されるため、慰謝料減額の理由になります。

慰謝料請求の通知書には、不倫が「平穏な婚姻生活を侵害した」、「夫婦関係が破綻した」等と記載されている場合があります。しかし、明確に離婚したと書いていない場合は離婚していない可能性が高いです。なぜなら、慰謝料を請求する側にとって、離婚したことは慰謝料の増額事由という有利な事実なので記載するはずです。明確に離婚したと記載がない場合ときは、現在の夫婦関係を確認した上で、離婚していなければ慰謝料減額の理由として主張しましょう。

慰謝料減額の交渉理由②:不倫期間は短く、肉体関係の回数は少ない

慰謝料相場は、不倫によって別居・離婚したかが重要だと言われています。しかし、不倫が原因で離婚した場合でも大幅な慰謝料減額に成功できることも少なくありません。

500件を超える不倫慰謝料の裁判例を分析した結果、実は不倫期間が短いことや肉体関係が少ないことも慰謝料の減額交渉では重要だと考えています。概ね不倫期間が数か月から半年以内であり、肉体関係を持った回数が10回以内程度であれば大幅な慰謝料減額交渉が可能です。

他方で、肉体関係を伴う不倫期間が1年以上続いていた場合は、不倫期間は長期間であると判断されるため、慰謝料の減額交渉でその他の減額理由を主張する必要があります。

慰謝料減額の交渉理由③:自分は不倫に消極的だった

自分は不倫に消極的であったことも慰謝料の減額理由として主張できます。

特に、あなたが不倫相手の立場であるときは、婦関係の維持は夫婦が主たる責任を負うべきです。それなのに、既婚者が不倫に積極的で、あなたが不倫に消極的だったのであれば慰謝料の減額理由になります。

この点について、裁判例においても不倫については配偶者がいるのに不倫をした不倫相手に主たる責任があり、不倫相手の責任は副次的であると判断されています。(東京高裁昭和60年11月20日判決等)

例えば、職場の上司である既婚男性から積極的なアプロ―チを受けて不倫関係が始まったような場合、慰謝料減額交渉において不倫に消極的・受け身だったことを主張しましょう。

慰謝料の減額しか主張できない

不倫に消極的・受け身であったとしても、強姦のような特別な事情がない限り、慰謝料を全く支払わないことは難しいです。また、このような場合に、慰謝料の減額交渉を行うのではなく、慰謝料の支払いを完全拒否すると、相手方を怒らせて裁判を起こされる可能性もあるので注意が必要です。

やむを得ず不倫に応じたことは真摯に反省しつつ、不倫に至った経緯を主張して慰謝料の減額交渉を行うことになります。

慰謝料減額の交渉理由④:求償権を放棄する代わりに減額して欲しい

慰謝料の減額理由として、求償権の放棄を主張することも考えられます。求償権とは、あなたが支払った慰謝料の半分以上を不倫当事者のもう一方に支払うよう求める権利です。

とくに夫婦関係が継続し、かつ家計が同一である場合、不倫被害者は慰謝料を全額貰っても結局は求償権でその半分以上を家計から払うことになります。つまり、求償権を考えると慰謝料を全額貰っても被害者にとって意味はありません。

求償権を考えると慰謝料を全額貰う意味がありません。そこで、慰謝料減額交渉において、求償権を放棄する代わりに適正な慰謝料額の半分程度を支払うだけで解決することを減額理由として主張します。これが求償権放棄が交渉において慰謝料の減額理由となる理由です。

慰謝料の減額交渉において求償権の扱いは重要なポイントです。単純に不倫の責任が半分ずつと考えても、適正な慰謝料金額をさらに半分にできる大きな慰謝料減額理由です。求償請求する手間を考えれば、請求された慰謝料を減額するために求償権を放棄した方が得策でしょう。

求償権放棄による慰謝料減額の具体例

例えば、慰謝料総額が200万円の場合、(i)あなたが200万円支払って、不倫相手からあなたが100万円の求償を受けるのでなく、(ii)あなたが100万円を支払って、不倫相手には求償しないという解決になることがあります。このように求償権を放棄することで、請求された慰謝料金額から100万円の減額に成功しています。

(参考)不倫慰謝料の求償権とは。行使の方法や拒否や無視されるのか等を解説

慰謝料減額の交渉理由⑤:自分の配偶者が不倫を知っている

ダブル不倫の慰謝料減額交渉においては、あなたの配偶者が不倫を知っていることが慰謝料の減額理由になります。

ダブル不倫の場合、あなたの配偶者も不倫を知っていれば、あなたの配偶者も不倫慰謝料を請求できます。お互いの夫婦の家計が同じ場合、夫婦の家計全体で考えれば、慰謝料請求を打ち消し合って慰謝料減額どころか不倫慰謝料を払わないで和解できる場合もあります。

法律上は相殺を主張できない

お互いに慰謝料請求権を持っていることから、慰謝料同士を相殺するという主張は法律上は認められません。経済上は、お互いの家計が同一であれば、事実上は慰謝料を払う/払われて相殺されます。しかし、法律上は当事者が別々であるため、当然に慰謝料同士の相殺を主張できるわけではありません。

ダブル不倫でこちらも不倫を知っているから、確実に慰謝料を減額できると思い込んで強気の主張をするのは危険です。不倫を反省してないと思われたり、勝手に慰謝料請求すれば良いと開き直られる可能性もあります。あくまで慰謝料減額をお願いできる要素にすぎないことを踏まえて交渉しましょう。

 

上記5つの慰謝料減額理由はよく出てくるので必ずチェックしてください。

坂尾陽弁護士

ここでは慰謝料の減額交渉でよく主張される減額理由を説明しました。もっとも、これらの減額理由が必ず交渉で使えるとは限りません。逆に、具体的に話を聞くと、これらの他にも慰謝料の減額理由が見つかるときもあります。

弁護士が慰謝料の減額交渉をするときは、相談時に聞いた事情を踏まえて法令・裁判例に照らして慰謝料の減額理由を探します。そして、事実関係や法令・裁判例に沿って、説得的になぜ慰謝料が減額するべきかを回答書に記載するため慰謝料の減額交渉に成功するのです。慰謝料の減額理由は分かったものの、上手く相手に説明する自信がないときは弁護士に慰謝料の減額交渉をご依頼ください。

(参考)慰謝料請求されたら弁護士の無料相談へ

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慰謝料減額交渉の流れとコツ

慰謝料の減額交渉の流れは以下のとおりです。この流れにそって、慰謝料の減額交渉を成功させるためのコツを解説します。

  • どんな請求がされたかを確認する
  • 慰謝料の減額交渉を求める回答書を作成する
  • 具体的に慰謝料の減額交渉を行う
  • 慰謝料の減額交渉の結果を示談書にまとめる

どんな請求がされたかを確認する

不倫慰謝料を請求された場合、まず冷静にどんな請求がされたかを確認するべきです。慰謝料は色々な形式で請求されます。

通知書や内容証明郵便で慰謝料を請求されたときは記載内容をよく確認します。電話や高騰で慰謝料を請求されたときは、突然の慰謝料請求に慌てて余計なこと話すリスクがあるので注意が必要です。具体的には以下のような点を確認することが慰謝料の減額交渉においてポイントになります。

誰から慰謝料を請求されたか

不倫被害者が本人自ら慰謝料請求しているのか、弁護士を立てて慰謝料請求してるのかによって減額交渉の難易度は変わります。また、弁護士を立てた場合、法律事務所・弁護士によって慰謝料の減額交渉のしやすさは違います。

どのような事実を不貞行為として主張しているか

不倫慰謝料の請求は不貞行為の存在を前提とします。したがって、具体的にどの事実を不貞行為と主張されているかを確認します。その不貞行為の期間・回数を前提として慰謝料の減額交渉をすることになります。また、事実関係に異なることがあれば、きちんと反論をする必要があります。

回答期限・支払期限はいつなのか

弁護士を通じて通知書・内容証明郵便で慰謝料を請求されたときは、回答期限や支払期限が設定されている場合が多いです。例えば、「本書面到達から2週間以内にご回答ください」等と記載されています。回答期限・支払期限は一方的に定められたものであるため絶対的なものではありません。しかし、期限を大幅に過ぎると、慰謝料請求を無視したと思われていきなり裁判を起こされるリスクがあります。回答期限・支払期限を目安として対応をするようにしましょう。

慰謝料の減額交渉を求める回答書を作成する

慰謝料の減額交渉は、基本的に書面で行うべきです。直接会ったり、電話で話したりすると、高額な慰謝料を払う誓約書にサインしないと不倫を職場や家族にばらすと脅されたり、交渉時に言ったことの内容を巡って無用な争いが生じる場合があるからです。

そこで、請求書に記載された期限内に慰謝料の減額交渉を求める回答書を作成することです。この回答書を上手く作ることが慰謝料の減額交渉を成功させるコツです。

回答書のひな形には注意が必要

インターネットにおいて慰謝料の減額交渉を求める回答書のひな形が公開されている場合もあります。しかし、ひな形は慰謝料を請求された側に有利なものとは限りません。法律事務所・弁護士が慰謝料を請求する側と請求された側のどちらの案件も扱っていると場合、ひな形が慰謝料を請求する側に配慮されたもの(つまり、慰謝料を請求された側が減額交渉するときに不利な文言を含むもの)である可能性もあるのでご注意ください。

弁護士が慰謝料を請求する側とされた側のどちらに強いかにご注意ください。

坂尾陽弁護士

不貞行為を具体的に認めない

通知書・内容証明郵便には詳細な不貞行為は書かれておらず、ざっくりと記載されている場合があります。この場合、不貞行為を具体的に認めると、不貞行為に関する全ての記載を認めたと判断されかねません。「不倫をしたのは事実ですが」のように抽象的に責任を認めるだけにしましょう。

謝罪・反省の意思を示す

慰謝料の減額交渉をする場合は謝罪・反省の意思を示すべきです。裁判例には、謝罪・反省をしていないことを慰謝料の増額事由としているものもあるからです。

ただし、回答書においては「不倫を原因として傷つけたことをお詫びします」等のように簡潔に記載すれば足ります。長々と謝罪・反省を記載すると不利に事実を記載することになる、下手に出たことが慰謝料の減額交渉がスムーズに進まない等の原因になりかねません。

慰謝料の減額理由を説得的・具体的に主張する

慰謝料の減額交渉で主張するべき5つの減額理由を確認し、回答書においては慰謝料の減額理由を説得的・具体的に主張します。ここが慰謝料の減額交渉に成功するための一番のポイントになるので、時間をかけて丁寧に検討して記載してください。

なお、安易にお金がないので慰謝料を払えないと経済的事情を減額理由とするのは避けるべきです。あなたが働いている場合は毎月の給与からの分割払いを求められて、減額を拒否される場合があります。経済的事情はいつでも主張できるものです。最初の回答書においては、具体的事情・裁判例に照らして慰謝料は減額されて当然だということを正々堂々と主張するべき場合が多いと思われます。

支払うことができる慰謝料金額を提示しない

回答書において支払うことができる慰謝料金額を提示するのは止めましょう。弁護士が慰謝料の減額交渉を行う場合でも、最初の提示金額は慎重に検討します。いきなり慰謝料を請求された場合、最初の回答書を作るときまでに慰謝料減額の正しい知識を得て、適正な提示金額を判断することは難しいです。回答書の段階では、慰謝料を払うつもりはあるが、減額をお願いしたい旨を記載するに留めておき具体的な金額は書かないでおきましょう。

具体的な慰謝料の減額交渉のやり方

回答書を送付しても、それだけでは直ちに慰謝料の減額に応じて貰えません。慰謝料の減額交渉を行うときは、いくつかの点がポイントになります。

対面・電話での減額交渉は避ける

自分で慰謝料の減額交渉をするときは、対面・電話での減額交渉は避けるようにしてください。例えば、不倫被害者やその弁護士から「直接会って話がしたい」と言われても、基本的に応じてはいけません。不利なことを口走ったり、無理に高額な慰謝料を払う旨の誓約書にサインをさせられたりして、減額交渉に失敗するケースが非常に多いためです。

どのような方針で交渉をするかを決める

慰謝料の減額交渉をするときは、どのような方針で交渉するかを考えましょう。

  • 慰謝料の支払いを拒否する
  • どれだけ慰謝料を減額できるかにこだわる
  • 早期かつ円満な解決を目指す

等の方針が考えられます。慰謝料を払わないで拒否する場合は慰謝料を払わないで済むケースに当てはまるか、どれだけ慰謝料を減額できるかにこだわる場合は多くの慰謝料減額理由があるかが交渉のポイントになります。

早期かつ円満な解決を目指す場合は、家族・秘密に不倫がバレないように解決したいことが多いでしょう。この場合は早めに弁護士を立てることをおすすめします。

交渉が決裂して裁判になった場合を考える

慰謝料の減額交渉においては、交渉が決裂して裁判になった場合のことを考える必要があります。裁判でどのぐらいの慰謝料が認められるかが交渉のベースラインになるからです。

なお、裁判を恐れると強気の減額交渉ができずに譲歩を迫られます。可能であれば交渉で解決したいと思う気持ちは分かりますが、そのことは悟られないようにしましょう。

正しい知識があれば不倫で裁判を起こされることを闇雲に恐れる必要はありません。不倫の裁判については下記記事も参考にしてみてください。

(参考)不倫で裁判になりそうなときに最初に知っておくべき7つのこと

 

弁護士に慰謝料の減額交渉を依頼するべきか

自分で慰謝料の減額交渉をする自信がない場合は、慰謝料減額に強い弁護士に交渉段階から依頼することをおすすめします。弁護士に依頼することにより、

  • 減額交渉を自ら行う手間や時間が省ける
  • 大幅な慰謝料の減額交渉に成功できる
  • 裁判を恐れずに強気で交渉できる
  • 職場・家族に不倫がバレないように解決できる

等のメリットが見込めます。慰謝料の減額交渉については無料で法律相談を行っています。正式に依頼するまで費用はかからないので、弁護士に依頼するべきかを含めて、まずは気軽に慰謝料の減額交渉について弁護士にご相談ください。

少なくとも一度は慰謝料減額に強い弁護士に話を聞くことをおすすめします。

坂尾陽弁護士

 

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慰謝料の減額交渉の結果を示談書にまとめる

慰謝料の減額交渉に成功したら、話し合いで合意できた内容を示談書にまとめます。示談書には以下のような内容を記載します。

  • 慰謝料の支払金額
  • 支払期限・支払方法(分割払いか等)
  • 求償権の取扱いについて
  • 接触禁止条項と違約金
  • 秘密保持義務
  • お互いに債権債務がないことの確認

慰謝料を支払う前にきちんと示談書を作らないと、再度慰謝料を請求されるリスクがあります。慰謝料の減額交渉が終わったからと言って油断せず、きちんとした示談書を作りましょう。

 

慰謝料の減額交渉の期間はどのぐらいかかるか

慰謝料の減額交渉期間の目安は概ね1~3か月ぐらいです。もっとも、1~3か月程度の期間内に細かい条件は合意できかったものの、不倫慰謝料の金額を大まかに合意できているときは、交渉で解決できる見込みが高いので、1~3か月程度の期間を超えて減額交渉を継続することがあります。

不倫の被害者が自ら慰謝料請求をしているときは、弁護士を立てて減額交渉をした場合、不倫の被害者からの連絡が無くなることがあります。この場合、3か月間連絡がない場合はそのまま慰謝料の請求が無くなることが多いため慰謝料の減額交渉を打ち切ります。

 

慰謝料を請求された場合にしてはいけないこと

慰謝料請求を無視してしまう

慰謝料を請求されたときに、払えないからと言って無視してはいけません。無視していると裁判になる可能性が高いです。慰謝料が高すぎて払えない場合は、無視するのではなく、減額交渉をしたい旨の連絡をしましょう。

すぐに慰謝料を支払う旨の書面に署名・押印する

慰謝料の減額交渉をする前に書面に署名・押印してはいけません。示談書・誓約書等の名前にかかわらず、一度書面にサインをすると不利になり、その内容を覆すことは容易ではありません。慰謝料相場を超える高額な支払義務を負って大きな損をする可能性があるので、慰謝料の減額交渉をせずに書面に署名・押印するのは絶対に避けましょう。

書面に署名・押印したらすぐに弁護士に相談する

不本意ながら書面に署名・押印したときは、すぐに弁護士にご相談ください。高額な慰謝料を支払う旨の書面は無効だと主張できる場合があります。署名・押印したのにすぐに弁護士に相談したこと自体が、書面の内容に納得してないことを裏付ける事情であり、無効を主張するときに有利になるので、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

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感情的に行動してしまう

減額交渉において、感情的になることは禁物です。相手に対して、罵倒・侮辱したり、嫌がらせを行ったりは絶対してはいけません。慰謝料増額事由となるばかりか、それ自体が名誉毀損等で慰謝料を請求される可能性もあります。

不倫の証拠がないと思って嘘をつかない

慰謝料の減額交渉では、どんな不倫の証拠があるか開示されない場合も多いです。しかし、不倫の証拠がないだろうと思って、嘘をついてはいけません。客観的な証拠がないように思えても、不倫当事者が裏切って不倫を自白するかもしれません。

(参考)不倫の証拠にはどんなものがある? 不倫・不貞行為の有力な証拠や注意点等を徹底解説

嘘をついたり、不合理な弁解をしたりすると、裁判所は不倫を反省していないと考えます。例えば、東京地裁平成22年12月9日は「肉体関係を否定するなど、…不誠実な対応に終始している」と指摘して慰謝料300万円を認めました。嘘をつくと慰謝料増額事由として考慮され、高額な慰謝料が認められるのでご注意ください。

誰にも相談せずに自分だけで対応する

慰謝料の減額交渉は、自分だけで対応するべきではありません。慰謝料の減額交渉では色々な点が問題になります。

  • 慰謝料相場や増減事由等の不倫慰謝料に関する知識
  • 慰謝料減額理由を説得的に主張する交渉テクニック
  • 不倫がバレないように解決するための段取り
  • 回答書・示談書を上手く作るための書面作成能力

インターネットや書籍で調べた知識だけで慰謝料の減額交渉をすると失敗する可能性が高いです。慰謝料を請求された段階で、一度は慰謝料の減額に強い弁護士にご相談ください。

 

慰謝料の減額交渉を成功させるためには専門的知識が必要不可欠

この記事では慰謝料の減額交渉を成功させるためのポイントとして、以下の点を説明しました。

  • 慰謝料の減額交渉をする前に知っておくべきこと
  • 不倫慰謝料の相場や増減事由について
  • 慰謝料の減額理由として主張するべきこと
  • 慰謝料減額交渉の流れとコツ
  • 慰謝料を請求された場合にしてはいけないこと

慰謝料の減額交渉を成功させるためには、慰謝料相場を踏まえた上で、慰謝料の減額理由を事実関係・裁判例に沿って説得的に主張することがコツです。そのためには不倫慰謝料や交渉テクニック等の専門的知識が必要不可欠です。

慰謝料の減額交渉に自信がないときは弁護士に依頼した方が良いでしょう。慰謝料の減額交渉の法律相談は無料です。正式にご依頼いただくまで費用はかかりませんので、まずは一度、慰謝料減額に強い弁護士にご相談ください。

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不倫慰謝料を完全拒否できる5つのパターンと拒否による3つのリスク | 不倫慰謝料を請求された側サイト byアイシア法律事務所

[…] 不倫慰謝料の支払いを拒否し続けて、裁判になって結局は高額な不倫慰謝料が認められるリスクを取るのではなく、最初から不倫を反省している姿勢を見せる一方で不倫に至った事情を減額理由として主張することも考えられます。なお、慰謝料減額の理由については下記記事を参考にしてください。 (参考)慰謝料減額交渉 5つの理由【弁護士執筆】 […]

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